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『メールニュース』

Vol.2 マイナスイオンを出しまくる、マウイに吹く風のような爽やかさ。 来日したデスティン・クレットン監督に癒されまくり!の巻

Date . 2014.11.18

【0.INTROCUTION】
米実名レビューサイトRotten Tomatoesで満足度99%を獲得!
包み込まれる大きな愛を感じるストーリー
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いよいよ今週末11/15(土)から公開となる『ショート・ターム』。無事にデスティン・クレットン監督の来日も終え、あとは映画館でみなさんがどんな風に映画を感じてくれるのか?を目撃するのみ!となりました。

デスティン・クレットン監督の来日中は、一般試写会を3回、大学試写会を2回開催いたしましたが、いづれも多くの方に見に来て頂き、みなさんの期待度が高いんだな、と肌で感じることができ、公開へ向け、ますます気が引き締まる思いです。さて今日は、来日して関係者やご取材くださったプレスのみなさんを骨抜きにしたマイナスイオン男子、デスティン・クレットンの来日手記をお伝えいたします♪

【1.THE DIRECTOR】

いま発売されているキネマ旬報に久保玲子さんの映画評が掲載されました。共感するご指摘がありましたので、引用にて一部ご紹介させていただきます。

「男性脚本家・男性監督が描く女性の性のテーマに違和感を覚えることがある」「男性の書き手の過剰なファンタジーがヒロインに過剰に加えられ、観る女性が鼻白んでしまう」というもの。
同じ男性監督が描いた『ショート・ターム』がそうさせないのは、監督のデスティン・クレットンが3姉妹に揉まれた家庭環境にあったことで、女性のアイデアの引き出しをうまく開け閉めするエキスパートなんだ、と。「女性への過剰な妄想を持たずに育った」ということが、さらりとリアリティを描いてみせる才能の一因であろうという分析でした。

久保さんのご指摘にあるように、関わる女性陣がみなデスティンの底抜けな笑顔とマイナスイオンに癒されてしまうのは、そもそも女性に対する包容力の訓練が済んでいる、というバックグラウンドがあったからなのねー、と妙にナットクしてしまいました。
結婚したい男性ナンバーワンのキャラクター「メイソンは、あたな自身なのでは?」という質問には「ああいう男性になれたらいいなと思って描いた」とのお答え。twitterのリアクションの中に「っつか、こんな男性いますかね?ファンタジーですよね」とひねくれたツイートがありましたが、ついついそう言いたくなるのも分かります。
こんなに包容力があって、柔らかい空気をまとった男性は、私もなかなかお目にかかったことがありません。が、だからといって、そんな人はいないと言い切ってはいけないのだ、と改心。きっとマウイに行ったらこういう開いた太陽みたいな方がたくさんいるのでは?

連日個人的なFacebookにプライベート写真をアップしていましたが、友人たちからは「この1週間、彼の笑顔に癒されてました」というコメントが集まっていますマウイでのびのびと育まれた大自然のような包容力が、そのままスクリーンに描かれているかのような『ショート・ターム』。こんな人には、イヤミもひねくれも通用しません。
日々都会で眉間にシワを寄せて生きているものとしては、降参するしかないですよね。参りました!
おかげで「奥さんには見せられない。観た後こちらに矛先が向いてしまうではないか!」と腰が引けてるダンナさんたちの悲鳴もちらほら……。

ちなみに『ショート・ターム』ですが、先月末に働き女子限定試写会を実施したところ、「観賞後に結婚したくなりましたか?」の質問に、20歳代独身女性の100%が「YES!」と答えています。
みんな誰かのぬくもりを求めてやまないのですね。

【監督・脚本|デスティン・クレットン】

マウイ生まれ、マウイ育ちで、ひいおばあさんとひいおじいさんが沖縄出身という日系のデスティン・クレットン監督は、SXSW(サウス・バイ・サウスウェスト=アメリカ最大のインディペンデント映画&音楽の祭典)で審査員賞・観客賞のW受賞以来、世界30を超える映画賞を受賞した『ショート・ターム』で大ブレイクした、今ハリウッドが最も注目する映画監督です。
『世界にひとつのプレイブック』で一躍スターダムを駆け上ったオスカー女優、ジェニファー・ローレンスもいち早くデスティンの才能に注目し、ライオンズゲート製作で自身が主演・プロデュースする『The Glass Castle(ガラスの城の子供たち)』の映画化企画で、早速、監督・脚本にデスティンをご指名。

【2.REVIEWS】

誰にも言えなかった ―― あなたに出会うまでは。
誰もが抱える心の仲の大きな荷物。下ろしてみれば、優しくなれる。

監督来日中に、東大新聞主催で、東大学内試写会が行われました。上映後には、クレットン監督と、実際にケアワーカーとして国際交流を計っているインターナショナル・フォスターケア・アライアンスの梶愛(かじ・まなみ)さんとのパネルディスカッションとQ&Aが行われ、社会学や経済学を学ぶ東大生から、かなり活発につっこんだ質問が飛び交いました。

終了後、ひとりの学生が「英語で話していいか?」とデスティンに駆け寄ってきました。試写会を計画するために事前にDVDで見たという経済学部のK君です。彼はこの映画を見て、それまであまり知識がなかった児童保護について、自分なりにいろいろと現状の政策などを調べたそうです。そしてこの世界にどんどん興味が湧いてきて、将来、なにかこの分野の職業につきたいと決意。

「人生を変えてもらいました」と、そのことを一生懸命監督本人に伝えにきてくれました。これはまさに「映画が持つパワー」と言える出来事で、監督もとても喜んでいました。東大生がそんな未来を思い描くとき、それは現場の一人のスタッフとしてかもしれないし、もしかしたら、児童保護をめぐる世の中のシステムを変えるような、なにかそういう職業で活躍するのかもしれないと想像すると、私たちの未来もひたすら頼もしくなりますね。
登壇した梶さんからも、児童保護施策を廻る日米の違いが指摘され、アメリカの児童保護施設でケアワーカーとして働いた経験のある監督本人も「へぇ~」の連発。誰もが他人に優しくなれる社会を目指して、若い人にもどんどん見てもらいたいな、と思わせてくれるエピソードでした。
学生さんたちの粋な計らいで、映画のワンシーンを再現したカップケーキでのバースデーパーティの様子はこちらからご覧ください。

http://youtu.be/NCRJ6AJJ7VA

また社会学を学ぶ学生は、「家族のあり方のゆらぎ」という視点から、映画の意味付けをブログにアップしてくれました。こちらも一読の価値のある、なるほどレビューです。いまのワカモンが社会をどう捉えているのか?とても参考になると思いますので、コンクルージョン部分を少しだけ以下に引用させていただきます。なんかとてつもなくアタマいい感じですが、的確に本質を捉えていると思います。

タイトル|『ショート・ターム』が突きつける、あなたは「家族」に「何をどこまで」打ち明けているか

「映画においては、グレイスが本心を吐露し、ジェイデンとの「秘密の共有」が果たされるまでの困難が丁寧に描かれる。それ自体は美しい。だが本作のポイントは、このような高いハードルを経ないと、「家族」を形成することそれ自体が困難であるという指摘にある。

故に、「情緒的な共通前提」を構築する「スキル」なのである。共住共食関係なるものが崩壊した今、「家族」を形成するためのハードルは高い。その中では、「心の傷」すらリソースになりうる。それを乗り越える「感動」が、本作では描かれる。故に、その濃密さに観客は酔う。

ただし、本論で述べてきた通り、ただ酔うだけでは、本質を見逃す。後期近代を襲う「家族的なるもの」の困難さ、とくとご覧あれ。

全文はこちら→ http://tsuvashism7.blog.fc2.com/blog-entry-23.html

明日からの君の方が、ぼくは、きっと好きです。

誰もが心に悲しい傷を負っているけれど、ここに暮らす子供たちはみんな、心優しくて繊細な少年少女ばかり。そんな彼らのひたむきな生き様を見ていると「ひとりぼっちで生きるのではなく、大切な人と一緒に、明日を生きることが喜びなんだ」と気づかせてくれます。

http://shortterm12.jp
http://youtu.be/-sIq16Bffns 『ショート・ターム』11/15より全国ロードショー

【11月15日公開】
東京 新宿シネマカリテ11月15日
東京 ヒューマントラストシネマ渋谷
東京 109シネマズグランベリーモール
千葉 TOHOシネマズ 流山おおたかの森
千葉 シネマイクスピアリ
神奈川 109シネマズ川崎
神奈川 109シネマズ湘南
大阪 TOHOシネマズ 梅田
TOHOシネマズ なんば
京都 TOHOシネマズ 二条
福岡 ユナイテッド・シネマ キャナルシティ13

他、全国劇場リストの最新情報は、コチラをご覧ください。
http://shortterm12.jp/theaters